並四日記 その0 終戦の詔勅
あおば

2008年10月09日20:06
  先日秋葉原にマグネチックスピーカーを買いに出かけた。
マグネチックスピーカーは第二次世界大戦中までの普及型ラジオ受信機に広く使われていて、ハイファイとは言い難い聞きづらい音で、音楽鑑賞などには不向きで、ただ音声が聞き取れればよいと言った安物の普及品である。
 今では過去の遺物なのであるが、ラジオの原理を理解させる教材用として、戦後ずっとごく僅かであるが作られていたようで、30年くらい前には秋葉原の部品街、ラジオストアあたりには新品が売っていたので、もしかしたらまだ入手できるかと出かけた。当時の真空管は入手可能だが、スピーカーは全く無いようで、お話しにならない。戦後しばらく売り出されていた、プラスチックボディーの5球スーパーラジオが、4500円とあったのでよくよく見たら、45000円、こんなもの誰が買うのかとあたりを見ると昭和ブームらしく現在では実用価値のない遺物が信じられない価格で展示してある。ブームが去ったらゴミになるのは間違いないが、あほくさくなる光景であった。
 なぜ今さらマグネチックスピーカーを求めるかというと、 昭和天皇の終戦の詔勅、いわゆる玉音放送をマグネチックスピーカーで聞いてみたいと思ったからでとくに深い意味はない。
 1945年8月15日の放送を聴いた人で良く聞き取れなかったという感想が多く聞かれたからで、亡母もなんだかよく分からなかったが、だれかが戦争が終わったのだと解説してくれて、それでその日は安心して眠ることが出来たのだと、なんどか聞かされていた。小説オタクの母が玉音放送の内容が理解できなかったとすると、我が家のラジオの音が相当酷かったのではないかと考えている。
 要約すると、玉音放送をマグネチツクスピーカーで聞いてみたいだけなのだが、今では少々金が掛かりそうな気がする。

参考 
マグネチックスピーカ(ラジオ少年の博物館)内田孝氏のWEB
http://www.nnc.or.jp/~t-uchida/upfile/magsp/magnetspaker.html


散文(批評随筆小説等) 並四日記 その0 終戦の詔勅 Copyright あおば 2009-02-25 04:41:13
notebook Home 戻る  過去 未来