千年の孤独      月夜見+花猫+乱太郎 三連詩
乱太郎

           (乱太郎)

この空は
海の青

この海は
空の青

見えない鏡で映し出す
決して重なることのない肉体

ひとつは
別れを背負って
ひとつは
悲しみを沈めて

交り会う水平線は
永遠に
僕には行き着くことが出来ない

そこにあなたがいるように


           (花猫)

境にゆらめくあなたは
辻に立つヘカテ
冥き月たるあなたが
双つの僕を縒りあわせ
ああ その唇で僕に息を吹き込む
あなたの手で生み直される祝祭のとき
地球中の露草が
わずかに
青を深める


           (月夜見)

幽世かくりよから現世うつしよ
僕は
あなたを求めて旅立つ

触れる熱を帯びた指先で
あなたを探り
渇愛の唇で
あなたの名を呼ぶ

あなたは永遠の果てに立ち
裸体女のまま振り返るだろう

穏やかに差し伸べた手を
僕は強く引き寄せて
抱きしめるだろう

この先は宇宙そらの紺
この果ては水の碧

二つの紺碧あおが互いを彩るように
あなたの瞳に僕が映る頃
地球は原始に還るだろう

その時
僕は
千年の孤独を
なんと言って告げようか



自由詩 千年の孤独      月夜見+花猫+乱太郎 三連詩 Copyright 乱太郎 2009-02-18 15:31:16
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