ことこ

この蟻の行列をたどっていけば
いつかあなたに行きつくと信じて
念入りに数をかぞえていたのに
砂にかき消されてしまって
どこまで勘定したのか
わからなくなってしまいました


もしかしたらあなたは
朝日のさきにいるのかもしれないし
夕日のかげにいるのかもしれないけれど
わたしは
今日がいつだったかも思いだせないから
カレンダーに丸印をつけることもできません


あなたは蟻が好む食べ物は何だか知っていますか。蟻という生き物は甘い物を好むように思われるけれど、肉を好む蟻もいるのです。昨日よりずっと前の小学生だった頃(或いは明日よりずっと後だったかもしれませんが)、夏休みの自由研究で実験したので間違いありません。


あの蟻の行列をたどっていけば
いつかあなたに行きつくと信じていましたが
あの蟻の行列が
甘いものを好んだのか 肉を好んだのかは
さいごまで
わからないままでした


自由詩Copyright ことこ 2009-02-17 18:03:25
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