月と虫
北星三天







背後を誰かが
通り過ぎ

夜の雲が
後悔を連れ出して
月の光に流される


僕は

ただじっと見つめるだけで

通り過ぎる破片を
見送ります


弱虫の僕が出来ること

泣き虫の僕が出来ること





耳鳴りの
音の無い叫びを
弔って祈ります






弱虫の僕が出来ること

泣き虫の僕が出来ること





月あかりの静かすぎる夜に


ちいちいと





虫が鳴いています



自由詩 月と虫 Copyright 北星三天 2009-02-14 00:46:13
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