届くこともない便り
板谷みきょう

元気にそして幸せに暮らしていますか?
もう 話すこともできないけど
ただ君にそう訊きたいのです。


あの頃のボクは 意気地が無かったから
君の心の呟きにも 曖昧に笑うしか なかった…

大丈夫? ずっと ずっと 
これからも 手を離さないで繋いでいられる?

そんな大切な問いにも 応えられずに 笑ってた…

もうずっと。
あれから もう ずっと。
時は 流れたんだ。

今なら きっと

大丈夫だよ........

そう答えられるのに…
そっと囁いたつもりで 今朝 目覚めた。

君の匂いがしたような気がして
切なさに心が ぎゅうっと 苦しくなった

一緒になりたくて 君を想いながら歩いた
あの石狩街道や36号線のことを思い出した…

泣きながら電話したことや公衆電話のボックスのこと
思い出は こんなに 今も鮮やかなのにさ

強がりなだけのボクは
随分 君を 困らせてばかりいたんだ。

困らせてばかりいたことにも 気付かないで

そして


本当の君の気持ちも 分かろうとせず
勝手に好きなことばかり 求めて…


いつかくれた絵本を 
今も大切にしていることも 伝えてないや


とても とても 懐かしい君。
懐かしくて 懐かしくて 
だから こんなに切なくて


君の今を 知らずに暮らせることは 幸せなのかな?

こんなに寂しく 辛く 切ない想いを
抱えていることは 心の深くにしまって
秘密にしてた方がいいのかな?


ここから どこへ向かえばいいの
右かな? それとも左?
前に進むしか道はないの? 後戻りはできないもんね。

だけど

どういう道のりを辿って来たのか
振り返ることだけが 支えとなっているボクは
どこをどう歩けばいいのか もう分からなくなっているよ


迷って 迷って
もうどうして いいのか 戸惑うばかり。

なのに こんだけ迷って判った事が
君がかけがえのないことだったなんて…

それとも

これも いつもの我がままなのかな。


雪解けに 春を見つける度に
君を 思い出します。

ただ 
「元気にそして幸せに暮らしていますか?」
それだけを。 ただそれだけ。

ただそれだけを 君に訊きたいのです。


自由詩 届くこともない便り Copyright 板谷みきょう 2009-02-12 03:38:33
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