『闇の婚姻書』
あおい満月

 閉じられた
 闇のなかのページがある
 その紙の隅に
 わたしは捺印した
 血潮の押捺
 同じくナイフで人差し指を
 切ったあなたが
 わたしの指に重ねる
 血潮の性交
 血潮の婚姻
 鎖を掛け合う
 互いのこころは
 もう離れはしない
 誰も知らない
 闇の婚姻書を
 ノートの下に隠して 
 わたしは眠る
 あなたは唄う
 瞳を閉じると
 波打つ闇が浮かぶ
 底にひかるのは
 細い文字の
 アイノコトバ
 闇の婚姻書は
 笑う
 遠く近く
 わたしたちを
 ブランコに乗せて
 闇の婚姻書は
 笑う
 瞳があなたの
 色とかさなる

                 2009.2.11(Wed)
 


自由詩 『闇の婚姻書』 Copyright あおい満月 2009-02-11 18:47:17
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