nonessential
山中 烏流







錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、

なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない


まるで
雲を思わせる息は
何層にも連なり、そして
空/水蒸/気
震える
午後の、話

空き缶が転がされた
それは
始まりを告げている

私の胸の中で
小さく
閑古鳥が鳴いた
何も、ないのではなく
むしろ
満ち足りているのに


全裸、
指先から
戦慄が走るような気配

裸足の裏側から
冷たさが滲む
夕暮れはいつまでも、
鈍く


あ、
ほら、

こんなにも
人のような色をしていて
私を照らすものだから

いつまでも帰れない



いつまでも、帰れない。







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自由詩 nonessential Copyright 山中 烏流 2009-02-11 01:26:37
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