終わり
乱太郎

 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らない振りをしているだけだ





 空へ

あの空へ
イカロスの翼を身に纏い

微粒子に拡散された波長の乱れ

風は非文学的な感傷にざわめいている

  (僕は裸のまま眠りつづける
   銀河の果てを旅するように
   夢だけが
   僕の肉体を愛撫する)

 回転
 跳躍
 円弧の
    
     舞踏



偽りのない空が沈殿していく


蠅が一匹

ぽかんと開いたおおきな口に
飛び込んだ


自由詩 終わり Copyright 乱太郎 2009-02-10 20:13:02
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