たしかめる
伊月りさ

ひとりが
ふたりになっていくのがわかる

噛み合っていた歯が抜けていく
背中が剥がれて
一分が長い

あなたはあなたと会話する
わたしはあなたを盗み見る
ひとりがふたりになっていく
わたしはようやく詩が書ける

乖離の音はおだやかに
あたたかい部屋に余地を見つけて
わたしを戻す
わたしは戻る
ふたりになって
ひとりに戻って
いくのがわかる

さよなら
ただいま

おかえりなさい


自由詩 たしかめる Copyright 伊月りさ 2009-02-06 12:51:19
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