葉女
小川 葉

 
細く伸びた指先に
今にも落ちそうな葉を
一枚残し
風に揺られて
誰かを待っている

灯りが消え
閉まる店の扉から
葉が一枚
駈けるように
夜空に舞い上がると

今あらわれたばかりの
月に赤く照らされて
二人は静かに
抱き合っているのだった
 


自由詩 葉女 Copyright 小川 葉 2009-02-06 00:52:06
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