あなた
乱太郎




恋にはあなたが必要だ
あなたは僕を和ませる
愛にはあなたがかかせない
あなたのために僕は苦しむ




あなたがいくつ歳を重ねようと
ぼくはあなたの若い歳しか覚えていない
あなたは白肌のまま
僕はまもなく白骨になる




あなたは太陽
僕は北風
あなたは安らぎ
僕は欲張り




あなたのさようならは
これから咲こうとしている薔薇のように
僕のさようならは
夕日で伸びた影のように




シロツメクサの花言葉を
いまでも憶えているのだろうか
あなたが教えてくれた
僕の手にはまだその枯れた草冠が




空の向こうから聞こえてくる
あなたの澄んだ声
僕はここで聞こえているよ
どこにいようと




リカちゃん人形で遊んでいたあなたは
大人になり家庭を持ち母になり
刀を振り回していた僕は
いつしか銃を持ち口笛を吹いている




テープで貼っておこうか
そんなものいらなくなったか
無くしたくない
あなたと僕の接続詞




あたらしいひかり
夜明けがたちどまって
あなたがいる
ぼくはつめたい水でかおを洗う


自由詩 あなた Copyright 乱太郎 2009-02-01 16:57:56
notebook Home 戻る