鳥瞰図
nonya


東から西へ
クリークのような商店街の上を
滑空する

コンビニの角を南に曲って
コソコソとパチンコ屋へ向かう
八百屋の若旦那を左目で見ながら

西から北へ
生易しい北風を切り裂くように
旋回する

電気屋の角を北に入った
社宅の入口で情報屋のオバサンが
誘導尋問しているのを見送りながら

サクラ公園の
トイプードルの食べ残し目がけて
降下する

ボール投げ禁止の立札の横で
キャッチボールする親子の姿が
妙にハマりすぎていて嫌だったから

東から西へ
食事もソコソコに羽ばたいて
上昇する

たまゆら坂をヨチヨチと上ってきた
白い犬を連れた老婆が繰り出す
長話という必殺技に
立往生している若者に気をとられていたら

下から上へ
頼りなげに放たれた視線と
衝突する

若い女の子はうっすらと涙を溜めて
五丁目の迷路をさまよっている
たぶん大丈夫
次の五叉路はどっちに行っても出口だよ

昨日から今日へ
僕は相変わらず想いを伝え切れないまま
ただ空を飛んでいるよ

今日から明日へ
君はいつもそうやって羨ましそうに
僕を見上げるけれど

何処にも触れていない
誰にも触れられない
そんな自由に
果たして君は耐えられるだろうか





自由詩 鳥瞰図 Copyright nonya 2009-01-31 09:24:53
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