1と2
モリマサ公



そして皮膚が脱げていく
鳥になって
JRの中にすごいあふれて
ホームのドアが開くたびに散らばって
ぶわっとなりながら
短い永遠とたましいを乗り換え
不安と怒りは眠りと平坦な祈りに形を変えて
時間は何度も揺り起こされて
たくさんの窓たちがまばたきながら灯って
世界は歌っている
重力の関係で
声がなまなましい粒になっておっこちてくる
地上はもうすでに場所ですらなくて
1つの曲になって流れている




「そういえばパパはどこ?」
みんな最初は泣くだけの赤ちゃんだったのに
みんな小さく裂けながら心臓だけになって走っている
追いかけて追い抜きながら追い抜かれて
コンビニもファミレスもからっぽなままどこかにすべっていく
コンテンツという文字が並んで
ノーティスボードで写真になった家族たちが全員こちらをみつめてる
咲き乱れながら輪郭や数字になって
どこにも触れることのない地図たちが重なって
ブルーシートの皺でできた波が海面をおおってる
「てゆーかどこからが空のはじまりなの?」






  


自由詩 1と2 Copyright モリマサ公 2009-01-28 21:05:56
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