百鬼夜行詩 <8>
nonya


ぬっぺふほふ


脂身 から にゅるんと 手と
煮凍り から ぬらりんと 足が
新月の 夜道を ぺたりぺたり 歩いて
軒下の 薄明かりに ぐんにゃり うずくまる
こらあげん の 垂れ下がった 目と
すらいむ の 伝い落ちる 鼻が
うっかり 滑った 口を 探してる





手の目


手を洗ったらハンドソープが目に沁みた
手を振ったらサヨナラに酔ってしまった
手を合わせたら自分の性根がよく見えた
手をつないだら彼女の感情線が睫毛に絡んだ
欲しいものは掴んだ瞬間に消えてしまうけれど
見たくないものはぎゅっと拳を握り締めて
目のない顔でしらばっくれていればいいんだ





自由詩 百鬼夜行詩 <8> Copyright nonya 2009-01-21 18:55:13
notebook Home 戻る