冬の朝のメルヘン
A道化






視線と光線が結んだら
さらさら
妖精が発生してゆく
セロファン製のダンスを舞う
朝をひたひた含んだ妖精のペン先が
愛されなかった夜の輪郭を
透明線で描き直してくださる


どうぞ
眼差しの泉へいらして

夜の氷つぶ残るまつげにペンを立てて

おやすみなさい
メルヘン


目を閉じるための挨拶が
最も適っている冬の朝には
無数の妖精が
ほら、さらさら
本当の話よりも優しいタッチで
わたしの夜をすべて
さらさら、メルヘンで覆ってくださる


2009.1.21.


自由詩 冬の朝のメルヘン Copyright A道化 2009-01-21 05:28:07
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