逆さに咲いた草色の花
ローザ

私は 自分が存在する理由が分からない。


花びらにしたって、他の花の方が鮮やか。
葉の色と 花びらの色の区別がつかないなんて、みっともないし。


古びたベランダの天井から生えたから、まるでお日様を見ることができない。


精一杯 頭を伸ばすのだけれど、身体が醜く歪んでいくだけ。


私が花として在る意味はなに?







ある日、嘆く私に神様が言った。
「君は他の誰とも違う。だからこそ尊い」 と。







でも、どうせなら、

「 私の好みの形に造ったのだ 」と。



「 他の誰に奇形と謂われようと、お前は私からの寵愛だけを信じていればいい 」と。



一言、言ってくれたならよかったのに。


せめて、[ 奇形で幸福な花 ]として枯れたかった。



自由詩 逆さに咲いた草色の花 Copyright ローザ 2009-01-15 10:50:44
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