ケータイの穴
新守山ダダマ

嗚呼とうとうなってしまった
ケータイが命の次に大事なものになってしまった
こんなはずじゃなかっただろ俺よ
俺はケータイを財布代わりなんかにはしない ケータイでテレビも見ない
そんなに依存してるつもりはなかった
それでもいざ壊してしまうと…この喪失感は何だ?
この困っちゃった感は何だ?何だ?俺のこの慌てぶりは!
どうにかしたい 誰とも連絡がとれない淋しさ
どうにかしたい 今何時かわからない不安
どうにかしたい エロ画像が見れない欲求不満
何なんだこの心にあいた大きな穴は!
死んだ人間は心の中で生きていると言うが
壊れたケータイは心の中で存在しようがない
友よ! 俺は今からお前の家に行く
アポなしで突撃させてくれ
迷惑だろうが俺を迎え入れてくれ
ほんのひとときでいいから話し相手になってくれ!
さもなくば、俺はケータイショップに行って
店員に延々とぼやいてしまいそうだ


自由詩 ケータイの穴 Copyright 新守山ダダマ 2009-01-13 22:31:14
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