択ぶ
かんな
はじまりの中に
あなたは最初から
潜んでいたか
いたり、
いなかったり
選択できる
あいまいな自由に
わたしは
頬を赤くする
けれど
地べたに座りこむ
ことばの断片
引きはがして裏側を
のぞく、
のぞかない
見えてしまえば
とめどなく泣ける
わたしは
それをどこかで
知ったけれど
静けさに落ち込んだ
哀しみの先っぽ
つまんであの海へと
しずめる、
しずめない
選択できる
あいまいな怖さに
わたしは
右耳の穴を
爪でふさぐけれど
このおわりの中に
あなたはいつまで
潜んでいるの
いるよ、
いないよ
あなたが呟く
透明なこたえが
択びようもなくこの夜に
響くのを
わたしはただ
耳をそば立てて
聴いている