優等生
さとう 星子

「優等生」という響きに
たまに懐かしさを覚える

突っ走って
横に誰かいないかいつでも確認して

98点だった時は残りの2点を
異常にも責め立てる

そんな私を
どこかみんな遠い目で見ていた

そんなことにさえ
優越感を感じながら…

「栄枯盛衰」
昔の人はうまいことを言ったもんだ

貪欲さは
こんなにも人を奈落の底に陥れるのだろうか

今はもう
いろんなことを削ぎ落とし
深い根っこだけが
体に張り付いているような気さえする

今思えば
「優等生」という
私の中にカテゴライズされてしまったものから
はみ出ることは許されない
そう思っていたのかもしれない

本当は
ともだちがほしかったのかもしれない








自由詩 優等生 Copyright さとう 星子 2009-01-09 18:25:09
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