伽藍
ミゼット


藍色の雲をひいて
女は降下してゆく

ひうひうとした
耳元の音を拾えば
落下であり墜落だが
彼女には
降下と認識される

微笑む猶予すら私にはある

空想のスカートから
プリントされた鳥が飛ぶ
逆巻く髪が色を散らす

藍色の雲は
爪の間から生産される

吐く

朝に一等綺麗な形で
触れた足から結晶していく


自由詩 伽藍 Copyright ミゼット 2009-01-02 00:31:28
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