うちわ
たもつ


いくら扇いだところで
忘れることなどできないというのに
いつまでもうちわで扇いでいる
自分の周りだけ
他のところより夏めいていて
ほんのりとしょっぱい
何本平行線を引いても
必ずどこかで交わってしまった
あの数学の授業に似ている
忘れてしまったことなど
もう覚えていない






自由詩 うちわ Copyright たもつ 2004-08-12 00:24:19
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