爆弾
ろくましん

敵対する国同士が紛争を解決するには
まず「言葉による対話」が行われ
想定以上の進展がなくなると
「時間切れ」と宣言し
対話は次の段階に進む

いわゆる
「爆弾を使った対話」

どっちが正しいかの問題ではない
これは対話なのだから
双方が納得するまで続けるしかない
結果として互いの民衆が
何百人、何千人、何万人、死のうと
大きな問題ではない
「爆弾を使った対話」に人命の犠牲は覚悟の上

ご存知ないかも知れませんが、
爆弾にはアルファベットと番号がペイントされています。
それを繋げてゆくと、投下した側のメッセージが読み取れる仕組みになっています。
しかし、双方とも破裂した爆弾の破片を集めることはしません。
これは形式的なことなのです。

そもそも、
「言葉を使った対話」も同じです。
相手の主張を聞いている人は少ないのです。
聞いているふりをして、大抵は次に相手に投げつける痛烈な言葉のことばかり
考えているのです。

ある程度爆弾を落とし終えると、
「停戦」という休み時間を経て
再び「言葉による対話」が始まり
同時進行で爆弾の補充が行われるのです。




自由詩 爆弾 Copyright ろくましん 2008-12-31 22:18:32
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