ゴヒャクブンノイチ
セルフレーム


王子様が手にした

世界の終わりの記憶は

国中を巻きこみました。

王子様が出した命令に従って

暴徒化した住民達は

隣の国を滅ぼし

やがて大陸へ

そして世界中へと

軍を進めていきました・・・



「―おばあちゃん」
「王子様が出した御触れって、どんなものだったの?」

「さぁ・・・それに関しては記述が無いんだよ」

「世界の終わりの記憶、って何?」

「もとは1冊の本なんだ。それを開いてしまうと、
頭の中に世界の終わりの記憶が刻み込まれてしまう」

「その人は、どうなっちゃうの?」

「最後には、記憶に体を蝕まれて、死んでしまう」

「記憶は何処に行くの?」

「また本に戻るんだ。本は未だに存在しているらしいよ。
昔の話によると、終わりの記憶は100通りのストーリーがあるらしくてね。

体を蝕まれた人が言うストーリーは、

ひとりひとり違う」

「怖い」
「怖いな、それ・・・」



ゴヒャクブンノイチ



自由詩 ゴヒャクブンノイチ Copyright セルフレーム 2008-12-31 10:33:49
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