日々、感じよ
フクロネヅミ


 テーブルの日に焼けた部分は
 いつもそこだけ聖母のような印象をたたえている


 去年飼ってた金魚を地面に埋めた
 そこに植えた金魚草が花をつけた
 でも、あの愛らしさはひとかけらも染ってやいやしない
 私の金魚を吸い上げても
 けして生まれ変わりやしてくれない

 怠慢な私のようやく学んだ現実 
おかえり、は無い。過去には。


 そろそろ老いる親
 近くにいない私
 まずは淋しいと感じよう
 この変な確信を持った安心を
 今日全て 壊して
 たった二人しかいない自分の親だと
 今感じる淋しさの中に
 何よりも強く愛しさを見いだそうではないか

骨とは話せないのだ。抱き合うこともない。


 ぼんやり過ごすからだ
 当たり前だと思い込むからだ

ちくりともしないまま
なくす物は多い。そんなことばかりだ。


 ダイレクトメールに埋もれて
 電話が鳴っている


もしもし。
もしもし。




自由詩 日々、感じよ Copyright フクロネヅミ 2008-12-30 10:04:35
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