鏡花水月
衿野果歩

重ねた足跡は
ガラス越しの瞳に
醜く映りましたか?

放せなかった冷たい手を
懐かしんではいけませんか?

見上げた空から降る雪
ずっと昔別々に見た白

続かなかった足跡でも
消えないで と願う夜


鏡みたいな
花のような
水面に浮ぶ
月のような

そう 幻だったから
この熱に溶けてしまうから


自由詩 鏡花水月 Copyright 衿野果歩 2008-12-20 21:37:14
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和、過去。