Syncopate(シンコペート)
ねことら

ラムコークのきらきらする泡を
退屈そうに、くだき
ちらすように
わたしのやさしすぎた
まちがいを
切っていった




微粒子の単位で
つきささる凍てつきの
ちりちりする
いたみだけ、やさしいね
りょうてで囲った廃園のなかで
すこやかに育てた
ふしぎなかたちの
いきもの




なまぐさいきぼう

あたらしいきずあと

どれも大切で
眼をぎゅっと、とじれば
きこえるのは
夜の輪郭を叩く
とぎれがちな雨の
変拍子
だけ



急激にわたしから
たいおんをうばった
きせつのよびな
とおく、シャンデリアがかすかに揺れて
気がつけばきっと泣いていた


それは
いつだって
たいしたことではなかったね


しっていたよ




(プリーズ・ドント・キスミー,)








自由詩 Syncopate(シンコペート) Copyright ねことら 2008-12-20 02:56:31
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