創書日和「かがみごし。」
狠志

僕がそこに見える気がして、手を伸ばした。

けれど、そこには手が届かなかった。

触れることが叶わなかったから、喋りかけてみた。

口が動くのは解ったけど、聞き取れなかった。

僕はそこをずっと見詰めてみた。

ずっと、じっと、見詰めてみた。

ふと、

彼が、僕を見詰めてる気がした。

急にそれが怖くなって、僕は。

僕は、彼を殺そうと銃を取った。

撃った。

そこに、彼は倒れていて。

僕は、そこに居なかった。


自由詩 創書日和「かがみごし。」 Copyright 狠志 2008-12-16 22:01:22
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