「夜ノ森ってどこにあるか知ってる?」と、貴方は悪戯っぽく
小川 葉

 
森を探していた
いつも森のある辺りを
手探りで

人の皮膚は
思ったよりも広大で
地図を持たずに歩くことは
意外と困難で

まだ幼かった
少年が
少女に触れてしまった
はじめてのことのように

唇を噛んで考えた
僕の頭の五分刈りのように
生えはじめた
陰毛の罪について

中一の頃
中三のひとに恋をした
僕の森より
君の森は謎だらけ

あなたは今ごろ
四十一歳だというのに
僕はまだ
十三歳のままなのに
 


自由詩 「夜ノ森ってどこにあるか知ってる?」と、貴方は悪戯っぽく Copyright 小川 葉 2008-12-06 01:48:34
notebook Home 戻る