(無題)
キキ

みなみの風、稜線のむこうから白のむれ
あなたは北から

奥そこ、しずかな砂のうえにからだをおいて
あと三日ほどねむって
ちいさい時分にみた夢を思いだしている
しろく、生あたたかく
とおく、
ふかく

天ぺんのほうからゆらめいて
ひらひらと
おりてくる葉のかたち
てのひらで
追う
ああ、さよならって
言わなくても
眠りのなかではしろく、
ふかぶかと頬をひたすことのできる
そのうずたかい波

なにかもっと笑えるようなことを
喋りたくて
くちをひらけばながれこむ水
あと七日ほどねむれば
しろい風景
それからなんどもなんども押しよせる風、
みなみから
あなたは北から





自由詩 (無題) Copyright キキ 2008-12-05 23:56:45
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