牙
石畑由紀子
三度目はもう事故じゃない 手のひらで古い磁石が廻り続けて
喉笛は砥石の音色 組み敷かれ我意志のある屍となり
呪いである 凝固と気化を繰り返す二つの肉を月光が刺す
鏡面に君の太古を焼きつける一夜で消える右胸のあざ
短歌
牙
Copyright
石畑由紀子
2008-12-05 03:01:25