【短歌祭参加作品】 海のおはなし
アイバ シュウ



潮飴は砂糖と海水1:2 沖波駅の名産品です


灯台の指令届かぬ海底に誰かが飛ばした風船のくず


「鼻血ってなんだろうねえ」「なんだろね」しゃべるクラゲの触手は赤い


「剃髪は銀の背の魚でします」タコの床屋の褪せたポスター


押しボタン式信号がある夏はここから東に2km泳いで


温暖化してる地球の間違いでぼくは3年寒流を待つ


「にんにくとは合わないのよね」とイタリアンメイクでまばたきイカの奥様


ミシン目のようにおんなじリズムにはなれない波の青き遊走


舌のある魚でいても声がないマーメイドよりぼくはしあわせ?


アトランタみたいにいつか東京も沈むだろうか海はしらない


短歌 【短歌祭参加作品】 海のおはなし Copyright アイバ シュウ 2008-12-02 18:55:28
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