望遠
信天翁
珍しくもヒヨドリのさえずりに
生気をとりもどした アベニューで
枯れ葉がよろめく足もとにじゃれつき
梢が千切れ雲の孤高にふるえている
北風に切りつけられる耳のつばさとともに
道程はるかな野末で
たぎるかがり火が わたしには
なぜだか見えない
それなのに 目があるからには
見える筈だと あんたは言うのかい
でもね どうしても
見えないことがあるんだょ
こころにもうひとつ特殊な眼がないと
自由詩
望遠
Copyright
信天翁
2008-11-27 16:16:33
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