ドア
石瀬琳々

朝ひらく回転扉通り抜け
    落ち葉の夕べ振り向くデジャヴ


吐息にてくもる心に口付ける
    あいまいすべてガラス越しの日


今すぐに会いたい気持ち放つ午後
    エレベーターを降りて屋上


誰もいない踊り場にいて借りた本
    七ページ目に名前をしるす


ドアひらく凍える指に触れたなら
    冬の瞳で見つめかえして




短歌 ドア Copyright 石瀬琳々 2008-11-26 13:36:07
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薊道