見つけること聞くこと
透明な魚

雨粒が地面にゆっくりと落下していて
そのシズクに写る果てない未来は
僕をどうしようもなく打ちのめした
一?でも踏み込む事によって現実が駆動していく
刹那程の距離でも僕等は踏み込めないんだ
本当はそういうことなんだろ?


僕等無数の点が寄り添いあって線ができて
其れがやがて意味を示す
僕等は何者でもないし
もっといえば何の意味もない
僕が例え見つけたとしても
僕はそれによって何かができるわけでもない
地面に届きもしない雨粒は
僕の肩で空にかえる


無数の中の一粒が僕の肩を叩く
それだけ
くりかえしなんだ
僕等が本当の意味で踏み込むことができれば
誰かの涙一粒を掬ってあげる事もできるのに
僕は俯いて
その一粒が同じく空に還るのを眺めているだけだ


雨粒が肩を叩けば僕は振り返る
其処にある想いが僕を遥か昔に在らせようとするから
僕はまるで全然に子供のまま
雨粒が地面に濡れる音を聞いている



自由詩 見つけること聞くこと Copyright 透明な魚 2008-11-25 03:02:10
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