ハナレミ
靜ト

東京都内上空500mより
10回目の飛び込みジャンプ 開始
慣れた動きで 美しい(と私は信ずる)弧を描き

成功

ビルディングの縁には相変わらず子供達が
退屈に足をぶらぶらさせながら合唱している


さざめくんく
さんざんらめく
さざんめんくん
さざめく


埋めつくしている


もうすぐフリーウェイに足がつく
着地はほっとするが
毎回1光年ずつかかとがすり減ってゆく

でもこんなのへっちゃらだ

あの

         目と
   目目  と
            目

よりはずっとまし

審美眼はこのところ生死にまで及ぶ
地面を踏みしだく頃には アスファルトはシナプスを準備し
私をひたひたと追い回す

もうすでに あの空に帰りたいと懐古している


「すみません が 避難はしご は どこですか」

                          (はじめに戻る)


自由詩 ハナレミ Copyright 靜ト 2008-11-23 14:20:46
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