暗愁(十七)
信天翁

    細くとがった音で路地が刻まれる
         メトロノームのように
      OLの帰路を急ぐハイヒールが
          つきささるのだろう
         暦に反した神楽月の宵
公園のオブジェはうなだれ息を殺している
      いとおしい血の意思を秘めて
    あゝ 遠吠えのこだまする四次元
      あなたがはるか指さすものは
                そして
   わたしがかすかに聞き取れるものは


自由詩 暗愁(十七) Copyright 信天翁 2008-11-22 22:40:04
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