unit
かとり

本をたたんで
ペンにキャップをつける
はさみをひらいて
つけねで指のあいだをぐりぐりとする
くつ下をつかんで
ゴミ箱に向かって
投げる

たばこを吸う
たばこを消す
少し眠りたいけど
眠れなくてもかまわない

アラームが鳴る
お湯が溜まったのだということがわかる
つづけて数を数えるあいだ
春の光が足を焼く

服を脱いで
ユニットバスを一瞥する

別の服に着替えて
靴を履いたら
たぶんもう
戻ってはこない


自由詩 unit Copyright かとり 2008-11-21 00:53:57
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