玉子でピース
キリギリ

いぃーかも。e@kamo. いいかも。良い鴨。かもしんないね。
奇形金属の筒にとろける貴方を押し込んで。
ナップサックにそれだけ詰めて旅に出る。
おぉビリーブ。雨は空から降りて連帯する。
コインパーキングじゃ救えない人たちが吐き捨てたガムみたいに
輪郭を失って冷えていく。冬の雨に貫かれて寂しがる生霊。
ポストイットでバラまかれて街に点在する君のプロフィル。
探し出す頃には滲んで呼べなくなった君の名前。
深く知るために穴を埋めたがるバカらしいほど分かりやすい
それを営みとして滑っていく人たちの抵抗と見えなくもない
摩擦運動もろとも明日明後日へと繋がっていく確かに繋がっていると
思いたい二人もろとも包んで確かに落ちていく。
オジービーフの大往生と同じくらいの確率で現れる僕たちの成功例を
糊にしてくっつける防寒具は露出狂の王さまを逆説的に肯定しながら
すきま風に剥げる。本当のことを本当のまま手渡しすることの出来ない
僕らの持っているバケツは奇形金属。冷えて固まって戻らないイメージと
些細な出来事で身勝手に増減を繰り返す数値。黄色い紙に黄緑で書かれた
文字が正しさを主張しても覚めない夢のような過ちが隔てている。
傷でも恥でも殺せない日常を未来に向かって滑り落ちていく。


自由詩 玉子でピース Copyright キリギリ 2008-11-19 09:41:32
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