三猿模写
田島オスカー
嘘に慣れた舌が
また赤くなってゆく
おちてゆく前に爪先で転がして
耳など本当は一つも無いというのに
誰の声を掠めてゆくための器官になるのだろうね
ねえあなた
おちてゆく前に指先で払い落として
爪など本当は色も付かないままだというのに
誰の声が喜んで響いてくれるのだろうね
ねえあなた
嘘に慣れた舌が
また赤くなってゆく
耳など本当は一つも無いというのに
誰の声を掠めてゆくための器官になるのだろうね
自由詩
三猿模写
Copyright
田島オスカー
2008-11-15 00:27:39