三日月型の夢
そらのうらがわ

もうやってられないって
キミが言うから
僕は外に出て
キミの代わりに叫んであげたよ
こんなんじゃ
もうやだって
キミが言うから
僕は空を見て
キミの代わりに祈ってあげたよ

明日天気になれ
明日天気になれ
月が太陽より明るくなるくらいに
明日天気になれ

いつも私ばっかりって
キミが泣くから
僕はベランダのプランターに
思いっきりたくさんの水をあげるよ

なんでこんなことばっかりって、
キミはでも、煙草を一服、ケータイメール。

だから僕は
だから僕は

月が雲に隠れて
星が風に流される
さっきからずっと、にわか雨の匂いがして
さっきからずっと、傘のことが忘れられない

ねえ、いつか
押し入れの天板が開いて
そこから月が降りてくる
グレープフルーツジュースを三日月型に
冷やして固めた月が降りてくる

だから今日はもう一度、
雲の裏がわの三日月にお祈りして
ふさわしい夢を見よう。

大丈夫、僕はここにいる
大丈夫。やっぱり、僕は、ここにいる。



自由詩 三日月型の夢 Copyright そらのうらがわ 2008-11-11 22:41:46
notebook Home 戻る