セパレーター
梶谷あや子

延々回帰線をなぞって
大丈夫なのに、のどが咬めない
知らないの そう聞こえる、
逃げてきたセクターを端から閉ざされる
私が歩みを進めるほどに
故郷の地面まで
焦げてゆくのだと気が付く
( たしかめては いない、

そのひとは

雨でぬれて
祈りを胸にあてている
もうずっと長いこと
いちどだけ、約束をしていたら、
私だけは多分
区別がつかずに抱きしめてしまうだろう





自由詩 セパレーター Copyright 梶谷あや子 2008-11-05 19:38:48
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