にわとりの産んだ世界のコケコッコ鳴り渡る
nm6
卵、みせかけのベニヤの殻をぺりっと突き抜けた
明るい中から暗い夜へうなだれぶち込められたどろりの光を
そのまばゆさの産物がひとつひとつ小さなゼリー状で次々と分裂し
粒が粉になり地球上に拡散しまた凝縮してふわり浮かんで太陽になった
いつのまにかあった土台の上に抜け殻が球状にパタパタ倒れ
必然的に複雑なそのそれぞれの形の真ん中にヒビを入れ
真ん中から腐って緑になりある時点で何故だか腐食が止まり
拡がりきらなかったところに細かな生物が降り立ち
そんなとある宇宙のことを思い出しつつ眠るその臨界点を知覚しようとして
そのフッと抜ける瞬間に力を込めて蒸発して雨になって君の上に降ろう
自由詩
にわとりの産んだ世界のコケコッコ鳴り渡る
Copyright
nm6
2003-09-15 22:55:25
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