芋羊羹
あおば

                050115


                   
みじんこ
こすもす
ゆりの花
左うちわの
いもようかん

ひっくり返った
オート三輪
鼻緒が切れた

目黒から池袋へ
まっくろな
弾丸列車が走る

憎たらしいくらいに速く
平べったくなった時間
ごちゃごちゃにつみこんだ 積み込んだ
和同開珎のような     和同開珎のような
だらしない顔の男が
三輪車を漕いで
車内を彷徨いている


3本足の案山子!

大声で呪文を唱えると
もう一人の
大貫妙子が生まれる
鋼鉄の線路の上は
大貫妙子で一杯になって
ズンズンと行進するから
列車の勢いは止まらない
汽笛を鳴らして
高原列車が走る
走る 走る 列車の上に
オート三輪車が走る

走り出したら停まらない
停まらないから
帰れない 帰れない

みじんこ
こすもす
ゆりの花
左うちわで
プラタナス

三輪社会の
芋羊羹の
あかんぼう
富士山登って
火を飛ばせ!








過去作



自由詩 芋羊羹 Copyright あおば 2008-11-01 01:35:06
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