囃子夜
木立 悟
街の隙間を流れる音が
曇り空の信号をつややかにする
22時すぎを唱う点滅
夜の湿り気にまわりひろがり
車輪の音を手招いている
祭の粒が匂っては消える
草 灯 泥 声
掘り返されたままの小石の路
真昼の羽が聞こえては消える
切り忘れた爪を歩む
金の光のような蜘蛛
小さな水の 小さな冷たさ
指にさまよい あらわれる
夜にさまよい あらわれる
自由詩
囃子夜
Copyright
木立 悟
2004-08-03 17:48:58