空の何処かに 
服部 剛

日曜日の広場で 
バザーをやっていた 

たくさんの子供等が 
小さい手にひもを握り 
宙に揺れる 
色とりどりの風船達 


  あっ 


立ち止まる若い母と 
ぽかんと口を開けた少年と 
並んで仰いだ空に 
舞い上がる 
一つの赤い風船 

五分ほど歩いて 
ふたたび見上げた空の何処かに 
すでに姿を消していた 

いつか、顔を持たない僕等の空は 
この世と違う引力で 
自らのふところに包むように 
吸いこむだろう 

一人ひとりの顔をした
色とりどりの風船達を 








自由詩 空の何処かに  Copyright 服部 剛 2008-10-27 00:50:56
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