行く人は知らない
K.SATO

誰もいない部屋で
考え込んでいる君へ
航海するだろう
ない真珠の輝きを求めて

窓にいつも体
人気のない夢で
思いを女へと
想像し
重ねようとした子供の顔に

僕は一人っ子だった
あの頃の寂しさはおもちゃで
次は辛さの中のダイヤ
船の上
光に立ちつくしていたことは
モアイになっていた

石に彫られた顔は
笑っていたりと炭色で
死の意味だったが
生け贄のためだったが
疲れだけで行く人は知らない

知らないだろう景色に
僕の体のある場所を
輝きの白さに
僕の船が行く夜を
月や光がなす円を


自由詩 行く人は知らない Copyright K.SATO 2008-10-19 02:42:26
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