偏見
緑茶塵
突き詰めて鋭角になった感覚の表現の剥き出しになったコンクリートみたいな言葉が
彼女の伝わらない感情や思想をまの当りにした、よく考える事が大好きな私
水槽に泳ぐ熱帯魚に例えた、灰色した鼠色した雲に例えた、寂しさや孤独に埋もれる事を笑った
兎角夜って場所で内向するのが詩人や思想家であって、きっとそれは偏見であろう、真昼間の昼の会社で世紀の傑作の構想を練った所で何が間違いかと問われても
刺さっているのは常に心に棘や槍であった、鎖かもしれない
わかり安く説明した所で実際に理解しているかどうかと問われても
繰り返し繰り返し託す言葉の中で本当に大切な物は何か、自分にとっての本質は何か
秋だ春だと言ってはしゃぐ己自信がどうにも下らない存在に思えてならない、もっと苦しんでいた筈だ、そんな事に体を預け人として不能な日常を笑った、でも血の臭いがする
飼い犬の背の皮を撫でて「お前が私より早く失われるのは避けられない事なんだよ」と言いつくろって積み重ねるはずの経験を想像してみる、やはり血の臭いがする
不安や恐怖を掻き立てるのは何故か、感動や喜びが簡単に手に入ると思っているのは何故か、別に間違ってはいない、素直が好い、私は物事を良く見ているつもりだ、たぶん偏見が多く主観も多数混じっている、間違いない
若さが無いそれが年取った人間の悩み、どうせ余裕のある時だけだ、でも血の臭いがしない
死ぬと開放される夢は今も見ているが、例えようも無い当たり前のようにその時に一番血の臭いが濃くなって漂って、想像するのは病に侵された動植物の実際の末路
唇から漏れ出る言葉でもう一度例えたとして、どれ程伝わる、料理の後に教養として知っておくのは、余裕のある生活がもたらす贅沢であって、よく知らないうちに鉄分を含んだナイフとスプーンで少年に問いかける
主食になるのは米よりもパンか、それともコーヒーが良いならしっくりする所でいつまでも飲んでいれば好い
友人として据えた、たどり着く目標として据えた、父親として据えた、母として据えた
ザラザラになって磨耗して今はもう鏡のように映している、昼と夜を取り違えている
日常や普遍性と、思い込み偏見をまだ取り違えている
歌や言葉が簡単に届いてしまう意味や事実を取り違えている
よく考える事を好きな私が、血の臭いを嗅ぐ私が、鉄と煙が大好きな私が
先の事をと問われても