自分
アンテ

足音 は
ほっておくとどんどん先に進んで
呼び止められると不満を洩らす
体 は
手足を動かすことに夢中で
なにを訊かれても聞こえないふりをする
心臓 は
なにかあるたびペースを乱して
たくさんある弁を開ける順番が判らなくなる
心 は
まことしやかに解説をして
あれこれ指図するがみんなに無視される
影 は
なにも言わない
姿が見当たらなくても必ずどこかに潜んでいる
自分 なんて
どこにも存在しない
現象の組み合わせが偶然そう見えるだけ



自由詩 自分 Copyright アンテ 2004-08-01 13:41:15
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