「かくれんぼ」
広川 孝治

僕を見つけて欲しいのに
すぐ近くまで来るけれど
腕を伸ばせば触れるほど
すぐ近くまで来てるのに
結局回れ右をして
離れて行ってしまうんだ

じつは気づいているのかな
少しは見えているのかな
だけど判らぬふりをして
通り過ぎてくだけなのか
垣間見えてた一部から
想像以上だったこと
怖くなっちゃったんだろう

あれほど探していたのにね
時間と手間とかけてきて
探す熱意は本物で
でも近づくとこんなにも
勇気がいるね本当に
僕を捕まえその腕に
しっかり抱きしめるためには

僕って時に熱くなり
凍えるほどに冷たくも
抱きしめ続けるのはとても
覚悟と犠牲必要で
でもしっかりと抱きしめて
決して離さぬ人にだけ
見える世界があるんだよ
見つからないふりする人も
手放しちゃった人達も
絶対見えない世界がね

僕を見つけてほしいんだ
そして抱きしめ続けてて
時にやけどするほどに
熱くなることあるけれど
時に凍えてしまうほど
冷たくなることあるけれど
ずっとしっかり抱きしめて
手放さないでいてほしい

僕は必ず君の目に
あの風景を映すから
きっと君はその時に
真の喜び知るだろう
濁りなくただ澄みきった
心の奥底からおこる
喜びの味を知るだろう
だから

僕を見つけてほしいんだ
勇気をふるって捕まえて
ずっと抱きしめ続けてて
どれだけ犠牲が多くても
あきらめ手放さないでいて

僕を見つけてほしいんだ

僕を見つけてほしいんだ


自由詩 「かくれんぼ」 Copyright 広川 孝治 2008-10-12 17:15:29
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