痛みも忘れるほど
かいぶつ

人と出会い
いずれ別れが訪れるのならば
少しでも多くの傷を
出会いと別れの間に残したい

驚きという銃傷
喜びという挫傷
悲しみという刺傷
憎しみという熱傷

もっと、深い傷と
さらに、激しい痛みを

どれだけ互いの体に
傷痕を残せたかが
人間関係の豊かさだろう

あなたとわたし
傷だらけまま
痛みも忘れるほどに
きつく抱き合えたらいい

あなたに出会い
癒えない傷を負ってしまった
わたしはそれに
生かされている

あなたはわたしの
愛しい後遺症


自由詩 痛みも忘れるほど Copyright かいぶつ 2008-10-06 01:03:12
notebook Home 戻る